雇用保険は退職した後でも加入できるのか?アルバイト退職後に加入した方の体験談。

20代男性雇用保険・失業保険

 正社員や派遣社員はもちろん、アルバイトやパートでも、一定の条件を満たした場合には、雇用保険に加入するのが法律で定められています。しかしながら、アルバイトやパート雇用の場合、事業者の負担や手間を理由に、加入しない(させない)会社や事業者が存在するのも事実です。

 その場合、勤務先に相談するなど掛け合って、雇用保険に加入させてもらえれば良いのですが、そもそも加入させていない企業や事業者が、加入させてくれる可能性は低いでしょう。そんな時は、退職後にハローワーク(公共職業安定所)に相談することで、加入させてくれる場合があります。編集部宛に寄せられた体験談を紹介しますので、もし雇用保険の加入でお悩みの方は、参考にしてみてください。

※体験談や実体験につきましては、回答の意図を改変しない範囲で、校正しております。

24歳男性(回答当時の年齢)の体験談

 正社員を自己都合で退職後、転職までの繋ぎとして1年弱アルバイトで働いていました。アルバイトとはいえ、ほとんどフルタイムに近い週32~40時間の勤務でしたが、アルバイト勤務という理由で、雇用保険には加入させてもらえていませんでした。
※雇用保険の加入条件の一つに、「1週間の所定労働時間が 20 時間以上であること」等が定められています。

参考:厚生労働省 雇用保険の加入手続き

将来の不測の事態に備えて

 なのですが、将来の不測の事態に備えて、後々加入期間が不足するなどが無いように、加入したほうが絶対に良いと考えていました。そこで、アルバイトの退職を機に、雇用保険の加入手続きに行こうと決めました。管轄は、元勤務先を管轄するハローワークでなくてはならないとのことで、自分の場合は三鷹のハローワークに行きました。結果、ハローワークが元勤務先に確認とか催促をしてくださったようで、後日無事に雇用保険に加入出来ました。加入までの期間は、2週間もかからなかったと思います。

雇用保険を受給したことも有り助かった

 その後、何度か転職や休職する機会が有り、雇用保険を受給したことも有り助かったこともあったので、例え雇用形態がアルバイトやパートでも、雇用保険の加入条件を満たしているので有れば、加入しておいたほうが絶対に良いと思います。
 ただ、雇用保険の加入手続きを行えるのは、先にも書いたとおり勤務先を管轄しているハローワークでなければいけないので、引っ越しを予定していたり、心身の不調などで退職される場合は、気を付けたほうが良いと思います。

雇用保険を支払った分は、余裕で回収したものの…

 雇用保険を受給したことで、それまでに支払った雇用保険料分は余裕で回収できましたが、肝心の支給額が最低賃金並みに低いです。支給額は、前職の勤務期間や勤務時の給与を元に計算されるのですが、それが本当に低いです。なんとか工夫を凝らせば生活は出来なくもない金額が支給されますが、余裕は全く有りませんでした。
 記憶が確かなら、失業中も税金などの支払いは続いていたので、支給額からそれらを差し引くと、生活はかなりギリギリだったと思います。下手すると医療費や税金がかからないと言われている、生活保護の方が総合的にはマシなんじゃないかと思えるレベルでしたね。

退職してから支給までに結構時間が

 私の場合は先述の通り、退職してから雇用保険に加入したのですが、加入するのにも時間がかかりましたし、雇用保険の支給までにも結構時間がかかりました。なので、可能であれば計画的な退職と、退職前に貯金をしておいた方が良いと思います。
 日本は税金と社会保険料が高いくせに、一度でも自己都合で退職したり失業すると、再起するのが非常に難しく、日本人を生かす気が無いのではないかとさえ思います。失業や休業をしないのが一番ですが、やむを得ない理由でそういったことも起こり得るので、そういったことへの備えは、絶対にしておいた方が良いと思います。

編集部より

 退職後の雇用保険の加入の他に、退職後のことまで色々と貴重な体験談をいただきました。雇用保険は、1回でも支給されれば、入っておいて損はない保険なので、もし回答者さんのように、雇用保険の加入条件を満たしているにもかかわらず、雇用保険に加入できていない場合は、駄目元で勤務先に相談してみましょう。
 ただし、勤務先との関係悪化などのトラブルが心配な場合などもあるかもしれません。そういった場合には、最終手段として退職後に管轄のハローワークに相談してみることをお勧めします。