着替えや準備、後片付けは勤務時間じゃないの?サービス労働や、サービス残業の体験談。

怒る男性サービス労働・残業

就業時間前や休憩時間、就業時間後など、勤務時間外に労働に従事することを一般的にサービス労働や、サービス残業と言いますが、読者の皆様は経験がおありになりますでしょうか。特に日本では、その悪しき風習が根強く、労働環境が改善された今となっても、巷にはびこっているのが現状です。

17歳男性・飲食店のアルバイト

高校生くらいの若者

私が働いていた大手ファストフードチェーン店では、タイムカードを通す勤務前に、制服への着替えや色々な雑務を含め、毎勤務30分ほどのサービス(無給)労働がありました。高校生で働ける場所は非常に限られていたので、仕方なく働いていましたが、どう考えても我々労働者側にとって不利な職場だったと思います。日本の労働環境は、こういった働く側の弱みに付け込んだ会社や企業が多い気がします。

21歳男性小売業のアルバイト

私が働いていたところでは、制服への着替えはもちろん、就業時間が過ぎた場合は、残業代が出ないのにも関わらず、職場の後片付けなど、訳の分からない労働が課せられていたりしました。それらの時間は、当然無給です。

直ぐにブラックな会社だと気付いたのですが、当時スケジュールが不規則になりがちな大学生だったのと、過疎っている(バイト先になる商業施設が少ないという意味)場所に住んでいたので、シフトの融通が効くアルバイトを探すだけでも大変でした。そのため、大学生活に必要な最低限の資金(?)を稼げる分 だけ働き、卒業後の道筋が付いたタイミングで早めに退職しました。

20歳男性・塾講師のアルバイト

塾講師

当時大学生だった私にとって、塾講師のアルバイトは時間単位の給与が高めで、1時間1,500~2,000ほどと、かなり魅力的な内容でした。しかし、実際に働いてみると、授業前の準備、当日の勤務後に日報や各種報告書の提出等の勤務時間に含まれない諸業務がありました。

勤務時間としては、授業を行っているコマ(60~90分)単位のみの計算対象になるので、先述の授業前後のサービス労働時間を含めると、他のバイトと大して変わらないレベルの給与でした。また、シフトも塾生や塾講師のバランスによって、かなり不安定になるので、計画的な勤務や、決まった給与を貰うのが難しい仕事でした。

24歳男性・サービス販売業の正社員

小売業

私が働いていた会社では、通常業務の前後に副店長や店長、役員などが集まって行われる、店長会議などがしばしば有りました。それだけなら大して問題は無いのですが、問題は店長会議とは別に通常業務があった点です。そういった日は一日の勤務時間が10〜14時間位になるのですが、悲しいことに固定残業制が採用されていたため、社員は割に合わない労働に従事せざるを得ない状況でした。それに不満を抱いた先輩上司が、社長に待遇改善を直談判で求めたところ、減給処分されたと聞いています。それからというもの、店長や副店長の間では、残業は悪、絶対に無駄な残業はしない、早く帰れるなら早く帰るという、強い結束というか一体感の元、働いていました。

22歳男性・小売業のアルバイト

小売り業の男性

いわゆる品出しなどと言われる仕事がメインだったのですが、品出しが多くなった日は、段ボールゴミなどを片付けたり、倉庫の整理などが発生していました。しかし、事前に申請したシフト時間外の労働は、自分らアルバイトの責任とは一切関係なく勤務時間としてカウントされず、当たり前のようにサービス残業として処理さており、本当にゴミクズみたいな職場で、それが発覚してからすぐ辞めました。

編集部より

近年では、残業代は1分単位で支払われるべきと、大手企業への判決が出されています。実際に1分単位というのは、雇用主側からするとかなり厳しいルールだとは思いますが、逆に日本の雇用環境では、遅刻には非常に厳しい対応(減給や始末書等)を取ることが多いので、残業に対しても厳格な対応を取らないと、不公平と言えるでしょう。

また、今回の記事でも紹介したように、若い人やアルバイト・パートなど、弱い立場にある人達が、サービス労働やサービス残業の被害に遭っているケースも少なくありません。特に学生さんは、本業の勉学と並行してアルバイトをしているケースが大半だと思いますので、貴重な時間を会社に搾取されないようくれぐれも気を付けてください。