有給休暇はアルバイトやパートでも取得可能!正当な権利として主張し、使い切ろう!

主婦有給休暇

年次有給休暇(以後、有給休暇)は、会社に勤めている人が仕事を休んだ場合でも、給与が支給される制度のことです。一般的に正社員であれば、有給休暇が付与されるのは皆さんがご存じのことかと思いますが、アルバイトやパートとして勤務している場合でも、有給休暇が付与されることを知らない方も多いのではないでしょうか。特に働き始めで、有給休暇などにそれほど詳しくないアルバイトで働いている学生さんや、少ない勤務時間のため、支給対象外と思われている、パートで働いている方も多くいらっしゃるのではないかと思います。

もし、急な体調不良や冠婚葬祭などで休みを取りたい場合でも、有給休暇があれば1日勤務分の給与が支給されるので、勤務時間が不安定なアルバイトやパートで働く人にとって、保険のようなメリットがあります。今回は、その有給休暇について、取得方法などについて詳しく解説していきます。

有給休暇の特徴

大学生

有給休暇はアルバイトやパートでも取得可能!

有給休暇は、労働基準法により、下記2つの条件を満たせば、取得することができます。

  • 半年間継続して雇われている
  • 全労働日の8割以上を出勤している

そのため、日雇いや、短期間契約などの雇用条件ではなく、ある程度長期で働いていれば、アルバイトやパートで働いている人も、有給休暇を取得できます。もちろん、在学中の学生さんであっても、労働基準法が適用されるので、有給休暇は取得できます。

会社側は、アルバイトやパートで働く人にも有給休暇を付与する義務がある

労働基準法によって、勤務条件が一定の基準を満たしていれば、会社側はアルバイトやパートであっても有給休暇を与えなくてはならないと定められています。そのため、アルバイトやパートで働く人も有給休暇を使用することができます。むしろ、会社側は有給休暇を付与しなければならない側にありますので、アルバイトやパートで働いているからといって、有給休暇の使用を遠慮したり、ためらう必要は全くありませんので、しっかりと有効活用しましょう。

取得理由は基本的に申告不要

有給休暇の取得は、事前申請であっても当日申請であっても、休む理由を具体的に説明する必要はありませんが、急な体調不良の場合には、その旨を申告して周囲の理解を得た方が良いでしょう。

また、学生さんであれば、試験や採用面接等の重要なイベントが発生することもあるでしょうし、小さなお子さんのいるパートやアルバイトで働いている方は、急な送り迎えや看病などもあると思いますので、そういった理由についても、話せる範囲で話した方が、周囲の理解と協力を得られるでしょう。

一方、上記以外のプライべートな理由で有給休暇を取得したい場合には、報告する義務はありませんので、個々人の判断で報告するかどうかを検討しましょう。

原則、会社は有給休暇の申請を拒否できない

有給休暇は、基本的に労働者側が使用したい日を指定することができます。しかし、繁忙期や人手が少なくなる時期などを理由に、有給休暇の取得を拒否する会社もあるかもしれません。しかし、そのような会社側の都合で有給休暇の使用を拒否することは、認められていません(労働基準法39条)。

有給休暇の使用は、労働者に与えられている正当な権利であり、有給休暇の付与は会社側の義務です。有給休暇使用分の人件費を削減して、労働者をただ働きさせたいといった理由で、会社側がが拒否したり、申請を却下することはできません。もし、そのような対応を取る会社があれば、それは違法行為であり、許されるべきものではありません。その場合には、遠慮なく労働基準監督署に相談し、外部から働きかけてもらいましょう。おそらく、直ぐに会社に事実確認等、何かしらの対応を行ってくれると思います。

アルバイトやパートで働く人が有給休暇を取る際の注意点

有給休暇の付与日数

有給休暇は、週間、もしくは年間どれくらい働くかによって、付与される日数が異なります。フルタイム(週5)で働いているのでなければ、働き始めて半年が経過したタイミングで、1~7日の範囲で付与されます。自分がどれくらい有給休暇が付与されるのかという点については、会社の給与明細への記載や、親切な会社であれば、上司や責任者から連絡で知ることができるかもしれませんが、自分でもある程度把握しておいた方が良いでしょう。

有給休暇を使用した場合の給料について

アルバイトやパートで勤務する人の場合、勤務時間が週や曜日によって異なることが多いかと思います。そのような場合、有給休暇を使用した場合の給与の計算方法は、フルタイム(週5)で働く人と違って、日額計算ではない場合が多いです。最低勤務時間分のみ給与を支給する場合や、直近の給与などの基準から計算する場合など、有給休暇使用時の給与の支給方法は、会社によって異ります。そのため、有給休暇を使用した日は、どれくらいの給与が支給されるのか、把握しておくと良いでしょう。

可能な限り早めに申請する

有給休暇に限らず、プライベートな事情で休みを取ることが決まったら、なるべく早めにその旨を会社や上司に申請しましょう。そうすれば、現場も人数調整など行い、事前に人手不足を回避することができます。

やむを得ず、体調不良等で当日欠勤になる場合は、休むことを決めた時点でなるべく早く連絡しましょう。その際に有給休暇があれば、それを使用できる場合もありますので、その旨を伝えても良いでしょう。ただ、有給休暇の権利とは別に、会社によっては申請方法が定められている場合がありますので、事前に確認しておくことも必要です。

有給休暇の時効(期限)に注意

有給休暇には、付与日から最長2年間の時効(期限)が定められています。アルバイトやパートで長年働くといったことは、あまりないかもしれませんが、付与された有給休暇が時効(期限)を過ぎないよう注意しましょう。

まとめ

有休を勝ち取った女性

今回は、アルバイトやパートでも、有給休暇は取得できるということを紹介しました。条件を満たしている労働者なら、誰もが有している権利であり、会社側には付与する義務がありますので、しっかりと上手に活用して、プライベートを充実させましょう。